実験動物およびヒト組織病理スライド、メガスライド(通常のスライド2枚分:52mmx76mm=3x2inches)
および(102mmx127mm =4x5inchesスライド)に対応しています。

バーチャルスライドとは。。。
病理組織標本スライドを生物顕微鏡で拡大・縮小したりするのと同様、パソコンなどで観察できるように、データ化したものをバーチャルスライド(WSIとも呼ばれる)と言います。採材した組織が少ない場合や、退色が激しいスライド(蛍光染色・脂肪染色など)をバーチャルスライドとして作成することで、永久的に保存できるという利点があります。
これまで、病理スライドを持ち込んで、ディスカッション顕微鏡などで共有していましたが、これからは、バーチャルスライドを作成することで、パソコンでスライドデータを共有することができます。また学会等のプロジェクターやZoom会議など、大人数でのディスカッションも可能です。
弊社は、標本作製専門会社です。標本作製後にすぐにバーチャルスライド化することで、最新・最高の染色態度で、データを半永久的に保存することが可能になりました。
弊社では、エビデント社(旧:オリンパス)のバーチャルスライド機器を使用し、バーチャルスライド標本を作製しております。また、お好みのアングルで画像を切り貼りすることも可能になり、学会や論文等の画像として有効利用できます。蛍光写真などの暗視野像も作製でき、非常にきれいな蛍光画像を得ることが可能です。
(参考までに、弊社の見解では、オリンパスのバーチャルスライドで作製したHE染色の色合いが、生物顕微鏡レベルと同等と判断して、導入いたしました。)
※オリンパスのビューワーソフト(OlyVIA)は、浜松ホトニクスやアペリオ社(ライカ社)などでのバーチャル化したスライドも見ることができますので、互換性に優れています。

HE染色スライドをバーチャルスライド化した一例。
高倍率・高解像度のHEスライドを、パソコンで観察することができます。
(左写真は、マウス皮下腫瘍)

上記HE染色像をパソコン上で拡大した写真。
バーチャルスライドの特徴として、閲覧するためのフリーソフト(OLyvia)で、
好きな倍率でキャプチャーすることが可能です。

上記、HE染色像をパソコン上でさらに拡大した写真。この場合の写真倍率は、生物顕微鏡レベルで、400~600倍のアングルに相当します。お好きな倍率で、切り貼りすることもできます。
バーチャルスライドサーバーアップのサービス開始(実験動物・ヒト組織病理スライド対応)
弊社では、2020.9月に「バーチャルスライドサーバー」を導入しました。このシステムは、病理スライドをバーチャルスライド作製後に、さらにサーバーにアップすることを目的としたシステムです(現在、2台のサーバーで運用しております)。
実際の運用としては、 医・歯・薬学・獣医学部の病理実習、学会期間中のスライドディスカッションや、ZoomなどのWeb会議でも弊社のサーバーが利用されています。
サーバー利用の良い面としては下記になります。
①バーチャルスライドをサーバーにアップすることで、Windowsだけでなく、MACやスマートフォンでも閲覧可能であるため、
インターネット環境があるところであれば、どこでも見ることができる。
②病理実習、学会発表、Zoom会議などで、バーチャルスライドを表示できるため、大切なスライドを持ち運ぶ必要がなくなる。
③「バーチャルスライド作製費用+500円〜/枚」で、サーバーにアップすることができる。
(年会費などの御請求はありません。とてもお得です。)。
④病理スライドの保管は、経年劣化による退色などあるが、バーチャルスライド作製することで、大切なデータを、
半永久的に保存することができる。
(近年の災害などに対して、危機管理上、大切なデータをサーバーなどに分散させる考え方が広まっています。)
⑤アペリオ社および浜松フォトニクス社製のバーチャルスライドもサーバーアップ可能です(他社製品との互換性あり)。

バーチャルスライドサーバーの利用方法はこちらから。
(バーチャルスライドがどのようなものかをを実際にご確認いただけますので、ぜひアクセスしてみてください!)
バーチャルスライドデータの原画(生データ)の納品方法に、新たに「BOX」を追加しました。これまで、ポータブルHDD(SSD)などに収録し、宅配便でお届けしていましたが、「BOX」を利用することで、バーチャル画像を即日納品することが可能になりました。
※ポータブルHDDやUSBでのデジタルデータでの受領が難しい方は、DVD(9.7GB)やブルーレイディスク(25GB, 50GB, 100GB以上)などでの納品も可能です。
エビデント社製(VS200)と他社製のバーチャルスライド画質の違い

Photo.01:他社製のバーチャルスライド撮影
左写真は、他社製バーチャル機器で作製した顕微鏡倍率400倍相当のバーチャル画像になります。黄色矢印部分が糸球体に相当しますが、400倍像でもこの程度の大きさになります。また核は黒っぽく、細胞質は赤色に染まるのが特徴です。

Photo.02:エビデント社製バーチャルスライド(VS200)
左写真は、エビデント社最新機種(VS200)で作製した顕微鏡倍率400倍相当のバーチャル画像になります。糸球体内(黄色矢印)のメサンギウム領域や基底細胞、尿細管上皮細胞の核仁(赤矢印)まではっきりと確認でき、Photo.01の400倍像よりもさらに明瞭に観察することができます。
エビデント社製最新機種(VS200)で撮影した画像は、解像度がさらに向上しており、生物顕微鏡で観察した際のヘマトキシリンの青紫色と、エオジンのピンク色がきれいに再現されていることがわかります。

Photo.03:他社製バーチャルスライド撮影
Photo.01の画像をさらに拡大して、エビデント社で撮影した400倍像と同じレベルまで拡大してみました。左写真の顕微鏡倍率表示は600倍像で、エビデント社の400倍像(Photo.02)に相当します。
1000倍油浸(z-スタック撮影)のバーチャルスライド標本作製を開始しました。

これまでは、バーチャルスライドで血液塗抹や、ゴルジ染色など、厚い切片の作製が難しかったのですが、エビデント社のVS200では、1000倍像(対物100xレンズ)の撮影が可能になりました。
(左写真は、ゴルジ染色により黒く染まった大脳皮質部の神経細胞ネットワーク)

ゴルジ染色(マウス海馬領域)
ゴルジ染色を油浸1000倍像(Zスタック)のバーチャルスライド作製したもの。黒く染まったところが、大脳皮質部や海馬領域の神経ネットワークになり、拡大してもきれいに観察できます。

ゴルジ染色(1000倍油浸+zスタック撮影)
1000倍(接眼10x対物100倍)像の病理像。
脳の微細な神経細胞(ニューロン)の軸索や樹状突起を黒く観察でき、さらに樹状突起スパインを可視化することができます。